イギリス妊婦→育児生活

初妊娠、イングランド北西部在住。イギリス人のリスと日本人のポンの妊婦生活日記です。予定日まであと100日のところで、皆さんはお腹に指輪を乗せたおしゃれな写真を上げているなか、そんなことが流行っているとも知らず私はブログを始めました。2月6日に無事第一子を出産し、イギリスにて子育てに奔走中。

080: 英国式バースプラン UK妊婦生活 予定日まであと21日

皆さんバースプランは考えましたか?
イギリスはフレキシブルな出産が尊重され、結構自由に選べます。医者や助産師が一方的に決めるのではなく自分たちにとってベストな出産を選んでほしいからだそうです。(人種もかなり多様だからかもしれません。)

逆に言えば自分たちにちゃんと知識がないと、医師や助産師はそれほど強くお勧め(強制)するということはないので、素人が選んだものを尊重されてしまいます。

日本はバースプランとして医療的ではないことが、項目と選べるようですが(例:写真は撮りたいか?産声を録音したい。動画を取りたいなど)
イギリスでは医療的なことに対して選択肢がバースプランの記録用紙には記載されていました。

今後イギリスで出産を控える方、あるいは日本でイギリスではどんなバースプランがあるのだろうと思っている方の参考になれば幸いです。

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イギリスのバースプランとは

バースプランとは、私たちの子供をどうやって出産するか、前もって家族などで計画して、希望を産科の助産師や医師に伝えることができます。

私の地域(イギリスの北西部NHS)のMaternity NoteにBirth Planのチェックシートが入っていたので、それをもとにイギリスのバースプランについて書いていきたいと思います。同じイギリスのNHSでの出産であっても、地域によってバースプランの項目は違うと思うので、これは私の地域の一例(2020年度版)です。またプライベートの病院であれば、全く違ってくると思います。

どこで産みたいか

産むところは病院だけではありません。主にBirth Centre、Hosptal、Homeか。私の地域の場合、いつも検診に通っている、助産師がいるChildren centerでも、産婦人科医がいるGeneral Hospitalでも、GPでもなく、また別のHospitalに送られます。通常、出産を担当してくれる助産師や医師などは出産時にほぼ全員初見になります。日本とは違うかなと思います。
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Hospital 産科

医師あるいは助産師による出産で、介入分娩が行え、帝王切開などは病院で主に行われます。無痛分娩の麻酔なども麻酔師により行われます。
これは日本でイメージが付きやすい選択肢の一つだと思います。

Birth Centre

助産師による出産で、家のリビングルームのような個室です。基本的にパートナーと陣痛を乗り越え、助産師は子宮口の確認など定期的にチェックしてくれます。そこの部屋には浴槽がある場合もあり、それを使って痛みの緩和や水中出産ができる場合があります。痛み緩和としてはGas and airは使うことができます。基本的に手術などはできず、自然に産むようにする場所。私の地域ではこのBirth Centreは病院の中にあり、産科の下の階にあるようで、出産が困難で、移動が必要な場合は、産科に移動することも可能。
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↑NHSのBirth Centreに関してはこのYoutubeをご覧ください。

Home 自宅

自宅で産みたいと相談すれば、家に助産師が訪問してくれるので、付きっ切りで出産中見てもらえますし、子供が多い場合など、家族ともはなれなくてよいし、家で産むと決めていれば病院に移動をしなくてもよいので利点もあります。ただし、急遽、帝王切開や麻酔での無痛や鉗子分娩など介入は家で行うのは難しいようです。なのでLow Riskの人が選ぶことができます。
(実際に周りでやった人がいないので、実際どうなのかはわかりませんが)
統計的には、ウエールズでは3%、イングランドでは2.3%、スコットランドでは1%、北アイルランドでは0.3%の妊婦さんがHome Birthを選ばれています

パートナーに出産時に立ち会ってもらいたいか

選択肢はYes/No/どちらでもよいの3つ。
NHSでは、この様なすべての書類には、夫や旦那様に立ち会ってもらいたいかなどとは書いてありません。NHSはいつでもパートナーと表現してあります。それは、パートナーと言う表現にしておけば、ストレートでもレズビアンカップルや未婚カップルであっても違和感を与えないからです。立ち合いは、COVID-19流行前は複数人可能だったようですが、現在は1人のみです。また、パートナーがCOVID-19になってしまった場合は立会できません。その代わりに1人選ぶことができるようです。主に家族の誰か一人を選ぶ人が多いようです。

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どんな体勢で出産をしたいか?(複数選択可能)

出産は、TVとかで見て、分娩台/ベッドに上がって足をあげて産むようなイメージでしたが、実際はどんな姿勢(ポジション)で産んでも良いみたいです。イギリスでは、自分が産みやすい姿勢で産んでくださいと言われます。日本ではフリースタイル分娩と言われているっぽいですが、こちらでは特に決まった呼び方はなく、普通にどんな格好で産んでも構いませんと言われています。
選択肢は「起立、スクワット、膝をついて、座った姿勢、ベッドの上、横向きの姿勢、出産イスを使って(トイレのようにイスの下に空間があります。)、Birth ball(バランスボール)を使って、お風呂を使って、その他」といろいろ選べます。
(あくまで希望なのでその体勢で産まなければいけないというものではありません。)

痛み止めを使いたいか。

選択肢はYes/No/助産師にアドバイスをしてもらいたいの3つ

どんな痛み緩和方法/痛み止め/鎮痛剤を使いたいか?

複数選択が可能です。

  • 笑気ガスnitrous oxide gasと酸素を混合した:Entonox (通称:Gas&Air
  • ペチジン(Pethidine)鎮痛剤
  • TENS(電気神経刺激)マシーン、肩こりほぐしマシーンのようなもの。
  • Epidural(硬膜外麻酔、無痛分娩)
  • その他のセラピー(マッサージ、アロマセラピーなど)
  • 何でもよい
会陰切開

選択肢:Episiotomy(会陰切開)が必要な場合切開してもいい/会陰切開は避けたい

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産後の選択

産後のカンガルーケア

イギリスではカンガルーケアとは言いませんが、正期産であれば、産後赤ちゃんをお腹/胸に乗せることは普通。ホルモンが分泌され、母乳の出がよくなるにも影響すると言われています。
選択肢:産後すぐに抱っこしたい/拭いて綺麗にしてから抱っこしたいの2択

赤ちゃんへのビタミンK投与

ビタミンKはの投与は経口/注射/どちらでもよいの3つの選択肢

胎盤娩出

胎盤排出を促すように薬を使用したいか Yes/No

その他

なにか、食事の制限、宗教、障害などで特別な配慮があれば記載。

上記までがバースプラン用紙に記載されているものでした。写真撮影がしたいかなどはこの用紙には、特に記載はありませんでした。

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他にも考えられる選択肢(NCTの学級で考えてみましょうと言われた項目)

赤ちゃんを引っ張らなければいけない場合

鉗子分娩がいいか、吸引分娩がいいか、それともやらないでほしいか

人工的に破水させるか

赤ちゃんを産みやすくするために必要な場合、人為的に破水させるのはOKかNGか。

帝王切開

基本的に最初からバースプランとして希望する人は少なく、医師の判断で行われることが一般的には多いと思いますが、帝王切開が良ければ、最初から帝王切開も選べます。日本と同じく、1/4が帝王切開なので、珍しいことではありません。(アメリカでは1/3らしいです。妊婦の肥満率が日本やイギリスよりも高いため、経腟分娩のリスクが高いことが要因の一つです。)

バースプランはあくまでプランであって、その状況で刻々と変化していくものなので、出産途中で希望を変える人もたくさんいます(特に、初産の場合、イギリスでは痛み止め方法を変更することが多いと言われています。)前もって冷静なときに、パートナーや家族とよく話し合い、利点や欠点などをしっかり理解して、決めた判断を尊重してもらえるのはいいことかもしれません。

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私たちのバースプラン

私の場合、持病(?)の側弯が軽度ですが首と腰にあり、急な手術や無痛分娩を選ぶ場合硬膜外麻酔が打てるかわからないという点があり、どんな出産がリスクが高く、何が低いリスクなのかもはっきりしていません。側弯症の影響で、自然分娩も腰に負担があるかもしれない。そのため、まだプランが完全には全部は立てられておりません。

36週くらいまでには全ての検査おわりたいねと助産師とは話していたのですが、NHSは専門分野に特化しており、科によって部署がことなり、それぞれUrgentと判断されないと、普通の順番待ちに並べられてしまい、かなり検査や診察が遅い場合があります。

私の過去の経験からすると、日本ならその日に病院行って、当日検査して、医師から結果を聞くことができるようなことです。症状を訴えてから診断下るまで最長6か月かかりました。

産婦人科医に「麻酔師に会って判断してもらった方がいい。産婦人科の私たちはその専門ではないので、骨がどんな向きであろう、はっきり言えば関係ないから、専門家に判断してもらわないといけない。私たちはその麻酔師による判断結果が必要で、それによってアドバイスをする」と言われました。妊娠20週目時点でこれを言われてから、紹介状を書いてもらっているのですが、その前にちょこちょこ引っかかったりする心臓の検査も麻酔に備えて検査したほうがいいと言われ(その予約に14週間かかった)検査待ちをしていたため、NHSでありがちな予約が取りにくい状況がまだ続いておりまだ麻酔師に会えていません(麻酔師は心臓外科医の)。おそらく優先順位が低かったのだと思います。

本日「まだ、麻酔科から連絡ないのですが、今妊娠37週目なので早めにしてほしいです」と、受付に留守電を残したところUrgentと判断してもらえたようで、今日折り返しの電話がかかってきました。その産婦人科の受付の人は、私が「麻酔科の予約取れるようにするから、詳細教えて。」と言っていました。(あれっ。。。紹介状まだ送ってないのかしらー。)詳細を教えたのち、また折り返します。と言われました。まだ折り返し電話はその後かかってこなかったのですが、ようやく予約がとれそうな予感です。明日あたりにでも折り返しの電話がかかってくるといいなー。

本当であれば36週より前に、全ての基本的な検査は全て終わっている予定でしたが、まだ37週でも終わらなさそうです。出産前に検査が終わるか若干不安ではありますが、なるべく安静にして、マタニティーヨガでもしてリラックスして待ちたいと思います。

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おわりに

本日はバースプランについてでした。日本とイギリスで何か違いましたか?実際の日本でのバースプランを立てたことはないので、よくわかりませんがイギリスのは専門的なことが多く勉強させられるなと言う印象です。1つ1つについてマタニティークラスでも話が上げられ、相方と一緒に話し合いはしたりしましたが、もう一度おさらいをしないと、忘れてきたなと言う感じです(笑)

皆さんはどんなバースプランをたてましたか?たてたいですか?おもしろいバースプランがありましたら教えてください。

本日もここまで読んでくださりありがとうございました。