イギリス妊婦→育児生活

初妊娠、イングランド北西部在住。イギリス人のリスと日本人のポンの妊婦生活日記です。予定日まであと100日のところで、皆さんはお腹に指輪を乗せたおしゃれな写真を上げているなか、そんなことが流行っているとも知らず私はブログを始めました。2月6日に無事第一子を出産し、イギリスにて子育てに奔走中。

112: 出産レポ③ 無痛分娩→緊急帝王切開 (全身麻酔) UK妊婦/UK入院3日目

前日(2月4日)に陣痛促進をし、破水→陣痛を経験。朝方痛すぎて気絶していたのか1時間くらい寝てしまっていて、起きたら痛みがだいぶ引いていた。赤ちゃんが生きているかどうか不安に駆られたまま分娩室へ移動することに。今日は、実際にNHSで我が子を出産した日についてブログを書いていきます。

他の方の参考になるかはわかりませんが、私が実際に分娩の際に体験したNHSの病院での実話です。

(注意:今日のブログも赤ちゃんとの思い出のためにも、結構細かく書いたので、いつもより長くなってしまいました。)

f:id:UK_Ninpu:20210225064455j:plain

はじめに

  • 前々日(出産レポ①)に卵膜剥離をして、その後陣痛促進をするために、(産婦人科)病院1→(産む予定の)病院2に行くように促される。病院1の助産師が予約を病院3に取ってしまっていたため、病院2で、無駄に慌てて行って、眠れぬ夜を過ごすことになる。

出産レポ①
uk-ninpu.hatenablog.com

  • 前日(出産レポ②)病院2にて陣痛促進をしてもらい、うまく陣痛が来たのはいいものの、陣痛はあるが子宮口が全然2cmから進まなかったという悲劇。

出産レポ②
uk-ninpu.hatenablog.com

今日はその次の日について書いていきます。

朝: 無痛分娩 (硬膜外麻酔 Epidural)

5:00
起きて、痛みがだいぶ引いていた。すごく夜、痛かったのに(痛みレベル200%)いまはあまり痛くなく、胎動も感じられないため、あかちゃんが生きているかすごく不安になる。

痛みレベル50%

動ける気がしたので、とりあえずトイレに行った。
トイレから戻ると、昨日の助産師さんに「分娩室の用意ができたので、移動しましょう。パートナーに電話して来ていただき、荷物をまとめて移動の準備をして下さい。」と言われました。(この部屋は陣痛待ちの妊婦さんたちのための部屋なので戻ってくることはないのです。)

あんなに痛かった陣痛なのにだいぶ遠のいてしまっていたため、自分だけで荷物のまとめも意外とできた。(昨日の状態なら絶対に無理だった。)

この部屋のお隣さんはまだ移動していないみたい、私が昨日の夜、苦しみ過ぎて(子宮口2cmなのに)私が優先されたらしい。お隣さんごめんなさい。。。

分娩室(Delivery Suite)担当の助産師①と一緒に、スーツケースを杖代わりにし、荷物持って移動した。移動中、胎動が感じられないこと、無痛分娩(epidural)をしたいこと、できたら臍帯血寄付をしたいことを助産師①に伝えた。

分娩室に到着後、荷物を置きさっそくCTG 胎児心拍数陣痛図 (cardiotocography)、モニター(NST)を付けてもらう。
uk-ninpu.hatenablog.com

助産師①「しっかり胎動ありますよ。心拍数も正常ですよ。
私(ポン)「あーよかった。ほっとしました。」(昨日の陣痛が強すぎてマヒしているのかしら。。。)

f:id:UK_Ninpu:20210222095706j:plain

6:00
相方到着!眠たそう!やっぱりあまり寝れなかったらしい。でも無理して笑顔を作ってくれてる。優しいな。二人でほぼ寝れない日まま入院生活3日目を迎える。
水(クリアーなもの)以外飲めないと言われたが、ポカリはOKをもらったので、相方に作ってもらう。ポカリスエットはマジで神!生き返る!送ってくれた両親ありがとう!夏だけではなくってイギリスの出産でもポカリは大活躍!

「トイレに行きたいなら、これから硬膜外麻酔を入れるので今のうちですよ」と言われる。さっきトイレに行ったばかりだが、いけないと聞くと行った方がいい気がしてくるのでとりあえず行く。ここの分娩室には、部屋の中に妊婦専用のトイレが付いている。(相方や助産師は別のトイレを使わないといけないことになっているらしい。)

でも、弱めの陣痛と破水のためすごく何だか出しずらい。そして入院から大きいほうは一向に出ない。(後から聞いたが、出産後90%以上の妊婦が便秘になるらしい。私は出産前から便秘なんですけどー。)

f:id:UK_Ninpu:20210306202033j:plain

7:00
助産師① によるExamination(内診) 1回目

子宮口は3cm

まだ全然開いていない、陣痛あれだけもがいたのに、どんだけかたくななの?(破水から14時間30分経過)
羊水が残っているかもしれないので、もし残っていたら、破膜して陣痛を促し、子宮口を広げると言われた。
おそらく羊水は残っていないという判断で、破膜はなくなった。昨日結構ジャバジャバ出たしな。

ホルモン点滴の促進剤を入れるために、右手の甲に留置針を入れられた。それが地味にずーっと痛い。留置の部分が長く手首を曲げると激痛が走り痛いので曲げられず。両手を使ってヨイショっと腰を持ち上げたりとかができず苦労しました。。。(これが結構あとあと、右手首が曲げられないことで行動が制限されてきつくなる。)

8:00
夜勤の助産師①から日勤の助産師にバトンタッチ。助産師②と学生助産師③(学生と言っても、出産経験も複数回ありでなんでも知っている感じで、しかも学生の前は前職で、私の職種を経験していたので意気投合。)
そして、分娩に備えて、朝ごはん食べたほうがいいと助産師②に言われる。助産師①には食べちゃダメと言われたが、、、。まだ分娩まで時間がかかるだろうから、朝ごはんまでは平気だと判断される。
とりあえず食べれるものは食べておこうと、トースト2枚と紅茶をもらう(カフェインを気にしている余裕なし。病院が出しているからいいんだろう。)。痛みもだいぶ引いているのでチャンスとばかりに食べる。

f:id:UK_Ninpu:20210307073900j:plain

9:00
麻酔科医①(+3人くらいの補助/看護師?)が来て、無痛分娩の説明を受け、承諾書にサインし、チューブを硬膜外に入れてもらう。その際に相方は少し怖いため(念のため)退出。無痛分娩の麻酔は背中に入れるので見えない、しかも私は側弯症があるので多少なりとも不安ではあった。私も緊張で震えてしまったけど、助産師さんたちが震えるのは普通だよ。大丈夫陣痛でもっともがいている人は入れられないけれどこれくらいなら平気と言ってくれた。そして、思ったよりもその施術は早くおわり痛くなかった、チクッとはもちろんしたし、へんな感覚は背中にあったが、想像よりもずっと痛くなかった(陣痛の方がよっぽど痛い)。無痛分娩選んでよかったと思う!

そのあと、試しに少量の麻酔を入れて、ちゃんと流れるかチェック、そのあと1時間おきに麻酔を足された。
痛みレベル60%

もともと朝は昨日の夜に比べれば痛くなかったので、無痛がきいているのかどうかいまいちわからなかった。効いてるか確認されたが、今は陣痛が昨日ほど痛くないのでよくわからないと助産師、麻酔医師に告げた。それと同時に陣痛促進をするためにホルモン点滴も右手留置から始まった。すごく少量ずつなので、それほど点滴されているという感覚はないが右手は常に地味に痛い。

そのあと、麻酔により下半身を動かしにくくななってトイレに行けなくなるため、尿カテーテル助産師②に入れてもらう。
(だからさっき行っておいてと言われたのか。尿カテが入るなら、無理して行かなくてもよかったのかも)

f:id:UK_Ninpu:20210307074156j:plain

10:30
追加の麻酔を入れられる。その後、なんだか、小股のあたりが温かくなる。
ポン「(恥ずかしながら)尿漏れしているかもしれません。もしかしたら尿カテうまく入っていないんですかね?」
助産師②「尿バッグにはちゃんと尿が来ているし問題ないと思うのだけど」「あっ、これ破水ね。」
ポン「破水なんですか?」
助産師②「あと半分羊水、残っていたみたいね。」「シーツ取り替えます、パッドも替えとくね。」
まさかの、第2弾の破水。助産師①はもう羊水残っていなさそうと判断していたが、実はあったようで、そのあと出てくる。なんだか尿漏れしている気分で非常に気持ちが悪い。(お尻の周りがジンワリするが、お腹も痛く腹筋が使えず、腰も痛いので動けない。そして、右手が使えないので自分ではうまく位置もずらせない。)完全に要介護患者でした。

痛みレベル70%

f:id:UK_Ninpu:20210307074405j:plain

11:30 12:30
追加の麻酔を入れられる。

「麻酔の効き目どう?足の指動かしてー。膝動かしてー。脚持ち上げて。」→違和感はあるが、全部できる。
「まだ効きが悪いわね。次くらいの麻酔で全体に効いてくれるといいんだけど。」と言われる。

陣痛の波形と共に陣痛の波がしっかり来るようになる。硬膜外麻酔を3回入れたはずなのに朝よりだいぶ痛い。促進剤ホルモンの影響で本格的に陣痛がまたきたか?
息をフーフー言わせれば何とか耐えれるレベルだけど、朝6時ごろから同じ体勢していることもあり、腰も痛くなってくる。(側弯のせいもあり、同じ体勢を2時間しているときついので、映画も続けて見れないタイプなのです。)

痛みレベル80%フーフー言わないと耐えられなくなる。

昼: 無痛分娩の麻酔 カテーテルの位置を変える

私は透明の飲み物以外飲めないが、助産師さんたちは順番にお昼ご飯休憩。不思議なことに私はお腹はすかない。
相方には体力のためにも何か食べるように薦める。(持ってきていたスナックを食べてもらった。)

13:30

助産師④が助産師②&③の代わりに現れる。麻酔追加。
痛みレベル90%(相方にさすってもらわないと、かなりきついレベル)

陣痛の度にフーフー言っている私を見て助産師④に「麻酔ほぼ効いてないっぽいね。」と言われる。
確かにどんどん痛くなってくる。自分では昨日の半端ない痛みに比べれば大したことがないので、何が麻酔が効いているのか効いていないのかよくわかっていなかった。

助産師④は「効いていれば、陣痛も楽になるはずなのに、どんどん強くなっているんでしょ?麻酔科医捕まえてくる。」と言われる。ポン(確かに。。。)テキパキと先ほどの麻酔科医①が来て、麻酔が効いているかチェックしてもらうことになる。

14:00
コールドスプレーで下半身の感覚をチェックされる。まず麻酔が効いていない腕に『シューッ』「冷たいですよね?これが基準です。これと比較してあまり冷たくないのであれば教えてください。」と言われる。
結果ただ左ももの部分だけは完璧に効いている。しかし他は全体的に冷たく感じた。→麻酔があまり効いていない。

9時からも5回も麻酔を入れていれば、本来であればお腹より下全体が効いているはず。そこで、1回目の麻酔チューブの位置を少しずらしてもらうことになる。

f:id:UK_Ninpu:20210307074503j:plain

14:30
麻酔科医①(+3人くらいの補助/看護師?)が再度準備を整えて、再度位置を変えることになる。とりあえず、2cmほどチューブの位置を引っ張ってそこでサイド固定してみることになる。位置をずらして、漏れがないが1回目と同様に試しに麻酔をもう一度入れられる。

15:00
位置を変えてから、1時間おきの麻酔追加が始まる。なんだか、午前中と全然感覚が異なり、下半身全体に麻酔が効いている気がする。助産師④さん気が付いてくれてありがとう!これが無痛分娩の麻酔か!全然違う楽だ!

痛みレベル40%

15:30
助産師②&③ によるExamination(内診) 2回目 破水から24時間経過
麻酔が効いているようであれば、学生である助産師③に内診をやってもらってもいいか確認され、OKを出す。その後助産師②が確認のために再チェックを行う。(2回やることになるので感染リスクは高まるため断っても全然OK)
麻酔が効いているようで学生さんの内診でも全く痛くない。子宮口は4cm 全然進んでいない。(助産師②と③の見立ては同じであった。)

痛みレベル50% なので、内診をしているときも違和感はあるが、陣痛の時でなければ痛みはほぼ感じないレベル!陣痛時はやや痛い。

f:id:UK_Ninpu:20210122074400j:plain

16:30
麻酔を追加される。麻酔は下半身全体に効いていたのでリラックスできる。この時点で破水後24時間が経っているので感染リスクも高くなってくると言われる。なるべく分娩前に休めそうだったら休んでくださいと言われるが、子宮口を広げるためになるべく体勢は立てたほうがいいと言われ、ベッドを起こした同じ体勢を朝からずっと取っているため体がしんどい。。

17:30 & 18:30
せっかくうまく効いていた麻酔の効果が左もものみに集中してしてきて、陣痛をお腹全体で普通に感じるようになる。

痛みレベル90% (相方にさすってもらわないと、かなりきついレベル)

f:id:UK_Ninpu:20210129064227j:plain

夜: 無痛分娩の麻酔 針を刺し直し

19:30
助産師②によるExamination(内診) 3回目
助産師②がササっと内診してくれた。子宮口4cm。。。悲しい。。
また、麻酔効かなくなってきたので、麻酔の位置変えることになった。
今回はチューブを引っ張って位置を変えるだけではなく、完全に針を刺しなおし位置を変えることになった。

子宮口は4㎝なのでまだまだ時間がかかりそう。。。このときまで相方はずっと隣のイスに座って、私にポカリを持ってきてくれたり、マッサージしたり、体勢を変えるときの補助をしていてくれたが、疲れすぎて、辛そうなので次の内診(4時間後)まで、一旦家に帰ることに。もうほぼ寝ずに3日目。辛いよね。。。
(なんで相方用のベッドはないんだろうか。。。)

f:id:UK_Ninpu:20210307075256j:plain

痛みレベル90%(相方にさすってもらわないと、かなりきついレベルだけど、麻酔の位置を変えて麻酔をすることがわかっていたので気分的には乗り切れた。)

この時点で助産師は夜勤と交代。朝と同じ助産師①についてもらえることになった。

20:30
麻酔の位置変更。

今回は夜勤の麻酔科医②と話し、前回の位置よりちょっと高い位置から針を刺し直しそこからチューブを入れることになった。
麻酔科医②(+3人くらいの補助/看護師?)が昼間と同じように準備を整え、私も慣れた感じで、背中を丸めて準備を整える。3回目だけど、緊張するのか震えは相変わらず起きる。
刺しなおしたチューブを通して試しの麻酔を少量入れる。今度は即効性あり!しかも胸より下の部分に完全に麻酔が効いている感覚がめちゃくちゃある。えっ本当はこんなに1回で効くものなのか!首より下は全部しびれ(麻酔が効いている感覚)と皮膚にかゆみがあった(おそらく副作用)。

頭より上は何ともないし、手もかゆいが動く。下半身は動かしにくい状態になった。こうなれば確かにトイレには行けないから尿カテが必要なんだなと改めて実感する。最初の硬膜外麻酔から11時間も経っている。

f:id:UK_Ninpu:20210114090350j:plain

麻酔科医によるコールドスプレーチェックも行われた。どこまで効いているか確認。やはり胸から下のほぼ全身麻酔が効いている。
痛みレベル0-10%違和感やかゆみはあるが痛みはほぼ無し!

21:00
麻酔科医②が再度来て、本量の麻酔を入れるかと思いきや、現状を説明される。
「少量の麻酔を入れて、これだけ強い効き目が出たことを考えると、硬膜外腔に入る硬膜外麻酔がくも膜下腔(つまり硬膜の内側)に入ってしまったために効きが急速で胸から下がいっきに効いて、首から下がしびれた/かゆみが出たと考えるのが妥当。場所が違くても、一般的には赤ちゃんや母体には通常を上回るような影響はありません。」と説明を受けた。

→つまり、硬膜外麻酔は失敗(@_@;)

リスクを承知で無痛分娩を選んでいるし、承諾しているし、こんな狭く、直接見えないところに麻酔を入れるなんてもともと難しいんだろうし、赤ちゃんに影響がないなら痛みも引いたし良かったかと考える私。とりあえず、陣痛が結構痛かったので、痛みが引いてよかったと思っていた。

f:id:UK_Ninpu:20210307034801j:plain

写真は↓のYoutubeより引用
Vol.5 無痛分娩に用いる硬膜外麻酔【慈恵病院】 - YouTube

その後、麻酔科医②がボスと調べたところ、ここの病院ではくも膜下腔に入った場合、安全性を考えて硬膜外麻酔を追加注射することが禁止されているため、今までのように1時間おきの追加麻酔はできない。この少量の麻酔が引いてしまったらそれで終わり。と言うところがやや問題だった。

「次のチェックができる23:30までに子宮口が6cm開かなかったら、帝王切開に切り替えることも視野に入れてほしいと言われた。もし6㎝まで子宮口が開いていたらまだ、下から産める可能性があります。」と告げられた。

ここまで頑張ったが帝王切開になるのかと少し思いながら、破水から24時間以上たっているので感染リスクも高まると聞いていたため、いつ開くかわからない子宮口を永遠と待つよりも、帝王切開になった方が安心かなとも思った。

とりあえず、3日間ほぼ1日1時間ずつしか寝ていないような状態の私としては体が疲れ切っていたため、とりあえず痛みが減って良かった安らぎは大きかった。失敗したものはしょうがない、後は子宮口次第だな。

22:00
医師と助産師の判断で、子宮口が開きやすくなるかもしれないので、体勢変えてみることをすすめられる。左下で横になることを薦められる。お尻も腰も痛かったので、おそらく横向きの方が体にもいいはず。ただし、麻酔が効いていてこの時点では何が痛いのかもうよくわからなくなっている。横になるために、横の手すりにしがみつく。

22:30
次の23:30の内診までに戻ってくればOKなのに1時間も早い。相方は心配で落ち着けなかったので、結局早めに病院に戻って来たらしい。ありがとう。

私から今の現状を相方に説明。
リス「今、痛くないんでしょ?よかったじゃん、」とかなり前向き。
ポン「あと、23:30までに6cm以上開かなかったら帝王切開を考えてほしいと言われているんだけど、どう思う」
リス「ポンはどう思うの?」
ポン「私は赤ちゃんを安全に産むことを優先したいので感染リスクも考えて、いつ開くかわからない子宮口を永遠と待つより、帝王切開の方がいいかと思ってる。」
リス「僕もそう思う。」と同意してくれた。

23:30 破水から32時間経過
運命の4回目のExamination。
麻酔は引いているきているため、ササッと助産師①に内診をしてもらう。

f:id:UK_Ninpu:20210122074400j:plain

結果

まだ子宮口4cm、結局、朝から1cmしか変わってない。。。
ということで、医師に帝王切開を薦められ、話し合いの通り即同意!医師もびっくりの速さで同意したため、「えっあっそうですか、じゃー準備します。」ということになりました。普通は結構、帝王切開に切り替えるのは躊躇するんだろうな。

いや、もう破水から32時間経っているし。硬膜外麻酔追加できないし、それほどこだわるところではない。

f:id:UK_Ninpu:20210112072600j:plain

深夜: 緊急帝王切開

脊椎麻酔

2021/2/6 土曜日
0:00

帝王切開準備しますので、いったん退室します。と言っている間に救急の出産が入ったようで、廊下で「ギャー、ワー」とどこかの妊婦さんのうめき声が聞こえる。そちらを優先するということで、私は手術2番手になる。こっちは痛みも強くないし、どうぞどうぞと言う感じで、少しゆっくり準備をさせてもらえた。リスには荷物を纏めてもらった。
今後の緊急帝王切開手術の説明を麻酔科医②から受け、念のため輸血のための事前血液検査、(留置針は付けられたまま)陣痛促進剤の点滴は外される。手術を担当してくれる麻酔科医③や助産師④⑤などたくさんの人に挨拶される。

リスは手術を見るのは厳しいが、ドレープの反対側から(手術部位は見えない)なら立ち会えるというので、術衣に着替えることに。私は麻酔がまだ多少効いており、うまく体が動かせないので、リスや助産師さんたちに抱えてもらいながら術衣に着替える。

f:id:UK_Ninpu:20210307075518j:plain

「緊急」と付いているが、麻酔下で、陣痛もそれほど痛くないし、ゆっくり1時間かけて準備もできて、こんな感じでも「Emargency=緊急」というんだなと思った。(計画帝王切開ではないものは全部緊急帝王切開なのかな?)

1:00

手術室が空いた。体を動かせないためベッドのままガラガラと押されて手術室まで移動(可動式のベッドだったなんて知らなかった!)。なんだか、TVシリーズなどで見る手術室に向かうシーンの様だった。自分が当事者になるなんて、なんか変な気分。ちょっとワクワク。

f:id:UK_Ninpu:20210307075712j:plain

到着した手術室は、今までと違い、めっちゃきれい!真っ白で新しい!機器も新しいし、みんなテキパキ準備していてこなれている感じで安心。人数を数えたら、術室には私達を含めて11人もいた。赤ちゃん入れたら12人。結構たくさん。でもこれもNCT(両親教室)で聞いていたとおりって感じで驚きはしなかった。前もって知っておくのって大切ね。

f:id:UK_Ninpu:20210307075639j:plain


こんな時だか、もしできたら臍帯血ドネーションできたらしたいこと、出来なくても、出産後胎盤が見たいので、ぜひ見せてほしいと再度と頼んだ残念ながら、ドネーションは休日であることそして深夜なのでAnthony Nolanの人がおらずできないと言われたが、胎盤は分娩後見れるよと言われた。自分の臓器を見ることなんて一生ないだろうから、見てみたかった。(相方にはそんなに見たいか?とずっと言われていたが見たいものは見たい。)

1:10

脊椎麻酔開始。
分娩時の脊椎麻酔とは、いわゆる、下半身は麻酔が効いていて開腹手術しても痛くないが、上半身は麻酔が効いていないので、赤ちゃんを取り出した後抱っこなどできる麻酔のタイプ。

↓このような感じ
f:id:UK_Ninpu:20210126082002j:plain

麻酔科医②から今度は脊椎麻酔について説明を受けていた。硬膜外のカテーテルと違って針で刺すだけなので、時間はあまりかからないこと、そして今回の脊椎麻酔は一回くも膜下腔に(脊椎麻酔と同じところに)硬膜外麻酔が入ってしまっているので、量が通常通りには計算できないこと、単独の場合と比較し、少し量を減らして投与することを説明された。

また、背中を丸めて、前にいる麻酔の補助の方に倒れないように抑えてもらう。さんざんやっているのにまだ震える。背中にチクッとまた針をさされ、麻酔が入った。麻酔が左右の脚全体に少し広がったようなそうでもないような感覚だった。コールドスプレーを使って、再度麻酔の聞き具合をチェック。もう麻酔科医②も私も、このやり取りが慣れていたので、ここは効いている効いていないとテキパキとこなす。

結果。肝心のお腹の部分(子宮周辺の部)はおへその下あたりまでしか麻酔が効いていない。通常であれば、もう少し上のお腹の上まで効くはず。(量が少なかったか?)とりあえず。

つまり→脊椎麻酔もうまくいかず全身麻酔に切り替えますと告げられる。

全身麻酔

リスに確認して全身麻酔のOKをもらったので、「はい。いいですよ。」とまた即同意。
ポン心の声(NHSは無料だし、何でも経験だ。とりあえず子供を出してあげてー。)

f:id:UK_Ninpu:20210117064137j:plain

医師から「パートナーさんは外で待っておいてください。」と言われる。あー、せっかく着替えたのに、追い出される。全身麻酔だと追い出されるのね。まー何もできないもんね。
そして、全身麻酔をかけられる直前にも、「できたら、胎盤取っておいて。」と再三お願いする。どんだけ、胎盤みたいねん私。

ここまでの3日間ほぼ寝れず。手術を受けることに(やっと産めるー。あとはプロの皆さんと赤ちゃんを信じるのみ。私は寝るのみ。)

では、麻酔入ります。数を数えますねーと言われて、10, 9, … 2, 1, 0... (あれっゼロでもまだ意識あるやん。)って思った数秒後ぐらいに落ちました。嘘つきー12から数えんと。。。グーグー。

1:30
リスポン(偽名)誕生!(ポンは麻酔で意識なし。感動の出産シーンとはならず。)

f:id:UK_Ninpu:20210307075804j:plain

産後 リカバリールーム

3:30
リカバリールームにて意識が戻る。
相方には2:00ごろには起きていたと言われたが、自分では記憶がいまいちない。おそらく白目をむいていたような感じだと思う。

自分的に麻酔から覚めた時点では、助産師さんなどの声が聞こえ、薄目を開けてまわりが見える状態。目の前の壁に時計があって3:30だった気がした。結構広い部屋だけど、私しかいない。深夜のお産だったからかな。そしてめちゃくちゃ眠い!!3日分の寝不足もあってか、起きるのがめんどくさい。そんな感覚。
TVや映画だったら、「あっ気が付いた大丈夫?」「子どもはどこ?」「だっこしますか?」「はい!かわいい!!」みたいな感動的なやり取りがあるはず。。。でも、実際は何もかもはっきり言ってだるい。そんな感じでした。

f:id:UK_Ninpu:20210307075841j:plain

とりあえず、そんなだるい私が一番に確認したかったことは子供がいるか(生きているか)どうか。薄目を開けて確認。
どうやら相方が助産師⑤とミルクを赤ちゃんにあげている様だった。つ・ま・り!無事産まれたんだ。
ポン心の声(あー、よかった。)そう思って、また、(寝てるふりして仮眠とろう)と思う。

そうしていたら、助産師さんに「気が付きましたか?どこかいたみますか?」「水いりますか?」「体起こしますか?」「赤ちゃんだっこしますか?」みたいなことを聞かれた。気づかれたか。。。内心もうちょっと後でにしておくれと思ったが、うなずいたり首を横に振ったりして回答した

その時点では、前日の陣痛+Gas and Airで喉がやられて、術後かすれ声になって喋れなくなっていた。TVや映画の様には現実はならないもんだ。TVでしゃがれ声で首振るだけじゃ感動も何もあったもんじゃないもんな。麻酔のせいか疲れのせいか、何もかもだるくて動けなかった。(というか、動かしてみることすらめんどくさいと思う状況だった。)

f:id:UK_Ninpu:20210222095620j:plain

首で回答。Yes→縦に振る、No→横に振る
「どこかいたみますか」→Yes (指さして、お腹、肺、のど、小さなしゃがれ声で発音もしたが、めっちゃのどが痛くて今後は喋ることを拒否する)
「水いりますか?」→Yes
「体起こしますか?」→No(まだまだ寝たい。)
「赤ちゃんだっこしますか?」→Yes
と答えた。

抱っこするでYesと答えたので、少しベッドを起こされる。そりゃそうだよな。
赤ちゃんは抱っこと言うより、だるすぎて、手で抱えられず。胸にただ乗せられて、辛うじて落ちない程度に手で支えている感じ。赤ちゃんは小さいけれど、予定日超過しているだけあって、しっかり重たさもある子だなと思った。5分間ほど抱えてリスがいろいろこれまでにあったことを話してくれた。

f:id:UK_Ninpu:20210307075920j:plain

リス「すっごい、うんちした。」
ポン:うなずく→排便ができる。つまり健康でよかった。
リス「めっちゃミルクのんだ。」
ポン:うなずく→飲める。つまり健康でよかった。
リス「たくさん吐いた。肺に水が溜まっているから、吐いたほうがいいんだって。」
ポン:うなずく→息ができる。健康でよかった。
リス「まつ毛ながい。」
ポン:うなずく→長いほうがゴミが入りにくくっていいね。

f:id:UK_Ninpu:20210307075545j:plain

血圧は10分おきに測られ(ずっとまえから測られていたのかもしれないが。)なんだかもう寝ているフリはできなくなってきた。。。SpO2(血中飽和酸素濃度:正常値は97-100%)が93-95%であったため、そのままリカバリールームに留まることになった。

麻酔科医がきて手術がどうであったか説明を受けた。(本当に眠かったので、後にしてくれーと思ったが。とりあえず、かすれ声とかすかな意識の中、説明を聞くことに。)

f:id:UK_Ninpu:20210131074536j:plain

麻酔科医②にリスポンは最初の10分間ほぼ息ができず仮死状態で生まれたこと。そのため念のためにリスポンの血液型をチェック及び輸血用の血液確保のために胎盤は使用してしまったことが告げられました。つまり、胎盤は見れなかった。
ポン心の声(残念!でも、リスポンを優先してくれてありがとうございます。そして、結局平日であっても昼間であっても、同じ状況だったらドネーションもできなかったんだなー。)

f:id:UK_Ninpu:20210213225611j:plain

それと麻酔科医②に「申し訳なかった」と謝られた。謝られた理由としては、おそらく硬膜外麻酔が硬膜内に入っていなければ。。。という話ではあると思うが、私はそんなことはどうでも良くって、無事に我が子を取り上げてくれてありがとう。という気持ちでいっぱいだった。

私は医師でもないし、医学部卒でもないが、生物系の臨床/研究分野で長いこと働いてきているため、どれだけ、いろいろ難しいことなのかもわかっているつもりだったし、ある程度の割合で失敗は起きるもの思っている。私としてはあんな小さい隙間(硬膜外)に麻酔を入れるのはやっぱり難しいよな。ともともと思っていたので、そんなに気にはしていなかった。

ただ気になったのは、私が側弯症だったから麻酔が難しかったのかどうか?

それについて麻酔科医に聞いてみたところ、「100%違うとは言えないが、今までも側弯の人へ硬膜外麻酔をしたことはあるが問題なかったし、私の側弯(骨が曲がっている)の位置は針を刺した背中の部分ではなく、首の近くと腰の近くであるため、関係性はかなり低いと思う」と言われた。
「本当の理由はわからないですが、ポンさんの場合、広がるはずの麻酔がどまり、全体に広がりにくかったのが麻酔がかかりにくかった問題だったようです。つまり側弯症の問題じゃないと思います。」と説明を受けた。

全国の側弯症の妊婦さん安心してください。この麻酔カクテルジャーニー分娩は、側弯症のせいではないですよ!!

f:id:UK_Ninpu:20210114090200j:plain

このまま、リカバリールームで朝6時くらいまで、SpO2が安定するまで微睡んでいました。それでも、3日間寝ていないので眠い(ぶっちゃけしっかり寝たかったが、なんだか起きなきゃいけない雰囲気もあり。。。)3日間ほとんど寝ていないリスも助産師さんに教えてもらいながら、その後もリスポンのおむつを替えたり、ミルクを上げたりしていた。本人は嬉しそうだったが、それでも疲れ切っていてかなり眠たそうでした。

ごめんね手伝ってあげれなくって。

f:id:UK_Ninpu:20210113021330j:plain

まとめ

当初は、普通に分娩しようと思っていましたが、結局、私の分娩は、卵膜剥離→陣痛促進→硬膜外麻酔→やり直しも2回→脊椎麻酔→全身麻酔(→赤ちゃん生後息ができず、10分間の蘇生措置)。

2分間隔の陣痛開始から約33時間で分娩。楽なお産ではありませんでした。
でも無事産まれて何よりでした。

これがNHSじゃなくって自己負担が発生する日本だったら、いくらかかっていたんだろうと思ってしまいます。。。
(自己負担がある場合、自分が好んで複雑な医療を依頼しているわけでもないのに、自分が払わなきゃいけないってなんだか腑に落ちないですよね。)

何はともあれ、無事産まれて本当によかったです。子供はかわいくお世話をすぐにでもしたかったものの、この3日間(2月3日~6日昼まで)ほぼ寝れなかった2人。疲労しきってしまっていて100%の気持ちで抱きしめてあげられない。そして私は体が思うように動かせず。初めての抱っこは抱っこと言うよりも、腕に置かれたという感じでした。

f:id:UK_Ninpu:20210108075436j:plain

翌日もまだまだ続く、稀な入院ジャーニー。詳細は出産レポ④に書きます。

f:id:UK_Ninpu:20210307043714j:plain

とても長くなりましたが、本日もここまで読んでくださりありがとうございました。

uk-ninpu.hatenablog.com